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2007/11/22

「最後の木こりたち」作品編

中国・黒龍江省の林業季節労働者たちのひと冬を追ったドキュメンタリー。日本の飯場と同様、冬、集団で木材伐採をするのですが、伐採による資源枯渇で2005年に廃止となってしまった。

んー、いまいち迫ってくるものがなかったです。久々に見ているのが苦痛に感じられたドキュメンタリーでした。もちろん、映像の切り口はとてもすばらしいし、一人一人のキャラクターの捉え方もなかなかおもしろかったのですが。

何がつまらなかったか。この作品、ナレーションや音楽を一切使っていない。監督の考え方なのでそれはそれでいいと思うのですが、はたしてこの作品でその手法が適当だったのか。というよりも、中国人以外の人が見た時に成立する手法なのか。話している本人には字幕がつきますが、その周りでザワザワ言っている人たちはいったい何を話しているのかわからない。雰囲気すら伝わってこない。画面にも映らないですし。そしていきなり、話している本人(字幕が付いている)が周りの人に何かをアピールしだす。それには字幕がつかないので、なぜそうなったのかよくわからない。

ドキュメンタリーは特にそうだと思うのですが、背後から聞こえてくる何気ない話もとても大切な要素だと思うんです。そのザワザワ感があるからこそ、その場面の雰囲気が醸成され、次のシーンにつながっていくのではないでしょうか。たとえば、「それぞれのシネマ」でアフリカのとある国で映画を上映するシーンが出てきました。ある人がカメラに向かって話している背後で、人が集まってなにやら話をしているのですが、背後で話している声と、字幕が付く、話している本人とは音に差があり、さらにちゃんと背後の人もフレームにおさまっているから、言葉がわからなくてもその場の雰囲気が伝わってくるんです。

また、音はおそらくハンディカメラに付いているマイクを使っているのでしょう。音の遠近感がまるでめちゃくちゃで、カメラが捉えている中心人物の話よりも、よりカメラに近い音が大きく入っていたのは残念でした。しかもノイズもかなりひどく、音声もブツブツと切れてしまっていたし。見ていてとてもきつかったです。

これはドキュメンタリーだから、という言い方もできるのかもしれませんが、やはり人に見せるということを前提にする以上、必要最低限の演出と効果は必要だと認識した作品でした。これらはあくまで手法の問題なので、そのあたりをきちんと修正すればもっと見やすい作品になったと思います。題材としてとてもおもしろかっただけに、ちょっと残念でした。(オオヤギ)


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