FILMeX+VOLUMEONE

2007/11/16

「それぞれのシネマ」にちなんで、映画館の思い出

フィルメックスのオープニングを飾る「それぞれのシネマ」。35人の監督たちがどのように「劇場」を表現しているのかとても楽しみにしていますが、ふと、私のシネマデビューはどんなだったかと思い出しましたので、少しコメントすることにします。

私が生まれ育った所には、当時(1980年代から90年代ですが)、映画館がありませんでした。今でこそシネコンが2つもできて手軽に映画が見られるようになりましたが、映画を見るためには、車で30分近くかかる隣の町まで行かなければなりませんでした。そのかわり、公民館の講堂や学校の体育館を映画館に見立てて、ポータブルの映写機を持ち込んでの映画上映会がよく開かれていました。アニメや教育映画、劇映画など、そのプログラムは多岐にわたっていたような気がします。とりたてて映画について熱心に取り組んでいた街でもなかったと思いますが、とにかく上映会はよく開かれていました。

真っ暗にした体育館の後ろから聞こえるカタカタという映写機の音、機械からスクリーンに向かう一筋の光、フィルムを機械に巻きつけるおじさんの姿は、自分が異次元空間にいるような感じがして、ワクワクしたことを覚えています。何を見たのかあまり覚えていないので、きっと映画を見るより、映写機から出てくる光や映写機が回る様を見るのに夢中になっていたのかもしれません。その印象だけは強烈に残っています。

今ではそのような上映会は行われていないようで少し寂しい気もしますが、自主上映会特有の、独特の雰囲気漂う映画体験ができたことは、今、映画を上映する側にいる自分にとってかけがえのない体験となりましたし、大切にしていきたい感覚です。朝日ホールや東京国際フォーラムは、映画上映の専門館ではないので見えにくい所もありますが、私にとっては自主上映会のにおいがして、とても好きです。

「それぞれのシネマ」からそんなことを思い出しました。(オオヤギ)

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